ワークライフバランス型の商売ってなに?副業スタイルから学ぶ「自由な働き方」

今回は、先週受講した愛媛大学・山口先生の研修をもとに、「ワークライフバランス型の商売」について考えたことをまとめます。
目次
ワークライフバランス型の商売とは?
「ワークライフバランス型の商売」とは、本業(生活のために稼ぐ仕事)とは別に行う事業で、利益を最優先せず、自分のライフスタイルや価値観を重視して働くスタイルです。特徴としては次のような点が挙げられます。
『商売っ気のない商業者が地方を救う ─ 衰退商業地再生・ワークライフバランス・エフェクチュエーション』を基に記載
- 不定休で家庭の事情を優先
- 需要に応じた少量生産
- お店や事業は副業の位置づけ
- 「自分が楽しい」という動機を重視
また、お店やサービスの提供内容にも、独自の特徴があります。
『商売っ気のない商業者が地方を救う ─ 衰退商業地再生・ワークライフバランス・エフェクチュエーション』を基に記載
- 賃料の安いエリアや郊外に出店
- 自分が納得できる商品だけを提供
- 価格は比較的高め
- 店舗改装はDIYで実施
- 借入を抑え、撤退しやすい仕組み
従来の「お客様第一主義」(商品が必ずある、長時間営業、休みなし)とは対照的なスタイルです。
経営の分析
売上・変動費・固定費の関係を整理すると、次のような傾向が見えてきます。
- ①固定費の低さ
家賃が安く、店舗改装も自分で行うため固定費が抑えやすい。その結果、利益が0になる損益分岐点も下がり、経営のハードルは低い。 - ②高単価設定
商品の単価を高めに設定することで、売上の線の傾きも大きくなり、損益分岐点を超えやすい。
ここまでの情報をまとめると、グラフは次のようなイメージです。
📊 グラフ1:低固定費・高単価のメリット

ただし、課題もあります。
- ③変動費の高さ
こだわりの材料を使用することで変動費率が上昇し、損益分岐点が下がりにくくなる。 - ④集客の難しさ
僻地に店舗を構えることが多いため、来客数は限られ、売上の伸びは期待しづらい面も。 - 人を雇えない
人を雇うと固定費・変動費が一気に上がり、赤字に転落しやすいリスクがあります。
📊 グラフ2:変動費・集客の課題

つまり、趣味やライフスタイル重視であっても「売上が立たない難しさ」は避けられません。
一方で、撤退しやすさや自由度の高さがあるため、センスや個性で勝負するビジネスモデルといえます。
感想
副業だからこそこだわりを持って働く──そんな職人気質と自由な働き方が融合したのが「ワークライフバランス型の商売」だと感じました。
個人的には、このスタイルでも仕入れ先や材料に対して適正価格を支払い、誠実な経営をしているのであれば「アリ」だと思います。
私自身も、一人税理士として自分のペースで働く井ノ上先生のようなスタイルに憧れを持っているので、「好きなように働く」という価値観にはとても共感しました。
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