少額減価償却資産の特例が40万円未満に拡大|令和8年度改正で変わった点・変わらない点

少額減価償却資産の特例が40万円未満に拡大|令和8年度改正で変わった点・変わらない点

「30万円未満」だった少額減価償却資産の特例は、令和8年度税制改正により、取得価額の上限が見直されました。

「40万円未満まで一括で経費にできるようになった以外に、何か変わった点はあるのか」と気になる方もいるかもしれません。
結論としては、今回変わったのは取得価額の上限のみで、それ以外の要件は基本的に変わっていません。

ただし、変わった点と変わらない点を整理しておかないと、思わぬ落とし穴につながるおそれがあります。

それでは本編へ。

目次

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例とは

本来、取得価額が10万円以上のものは減価償却資産として、耐用年数に応じて費用を各期に配分する必要があります。

一方、この特例を適用すれば、取得価額が一定額未満の資産をその期に一括で損金(経費)として処理することができます。

ただし、一括で損金にできる金額には年間の上限があり、無制限に使えるわけではありません。

令和8年度改正でどこが変わったのか

令和8年度税制改正の大綱では、以下の2点の見直しが示されていました。

5)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、次の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する(所得税についても同様とする。)。
① 対象となる減価償却資産の取得価額を 40 万円未満(現行:30 万円未満) に引き上げる。(再掲)
② 対象となる法人から常時使用する従業員の数が 400 人を超える法人を除外する。

令和8年度税制改正の大綱 p.70

しかし、実際にegovで令和8年4月1日に施行された改正内容を確認すると、①の取得価額の引き上げのみが反映されていました。

従業員数の要件は従来どおり「500人以下」のままです。

<改正前後の比較表>

項目改正前改正後
取得価額30万円未満40万円未満
年間の損金算入限度額300万円300万円(変更なし)
従業員数要件500人以下500人以下(変更なし)
適用期限令和8年3月31日まで令和11年3月31日まで

根拠条文:租税特別措置法第28条の2第1項、租税特別措置法施行令第39条の28第1項

変わらない点で気をつけたいこと

今回変わったのは取得価額の上限だけです。
以下の3点は従来と変わっていないため注意が必要です。

年間の損金算入限度額は300万円のまま

取得価額が40万円未満に上がったので限度額も400万円に上がった、と誤解されやすいですが、年間300万円の上限は据え置きです。

償却資産税の申告は引き続き必要

この特例を適用した資産は、市区町村への償却資産(固定資産税)の申告対象です。一括で経費にしたからといって申告が不要になるわけではありません。

適用するための手続きも変わっていない

確定申告書等への記載が必要です。以下のリンクを参考にしてください。

所得税(個人事業主)の場合

減価償却費の計算の摘要欄に次の3点を記載します。

  • 少額減価償却資産の取得価額の合計額
  • 租税特別措置法第28条の2を適用する旨
  • 取得価額の明細を別途保管している旨

用紙:
令和 年分所得税青色申告決算書(一般用)

参考:
国税庁 別紙2(PDFファイル)

法人税(法人)の場合

別表十六(七)「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書」を記載します。

用紙:
少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書

参考:
別表十六(七)「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書」

おわりに

令和8年度の税制改正で、少額減価償却資産の取得価額の上限が30万円未満から40万円未満に引き上げられました。

変わったのはこの1点だけで、年間限度額・償却資産税の申告・適用手続きはすべて従来どおりです。
「少し大きい金額まで一括で経費にできるようになった」と理解しておくのがシンプルです。


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本記事は、2026年4月20日時点で入手できる情報をもとに作成しています。コンテンツの正確性・完全性についていかなる保証も行いません。サイトの内容を利用して生じたいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いません。ご利用は利用者ご自身の判断と責任において行ってください。

参考文献

財務省
令和8年度税制改正の大綱 令和7年12月26日閣議決定

国税庁HP
No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
「中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の 特例制度」を適用する場合の明細書の添付について
令和 年分所得税青色申告決算書(一般用)
国税庁 別紙2(PDFファイル)
少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書
別表十六(七)「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書」

条文
租税特別措置法第28条の2第1項
租税特別措置法施行令第39条の28第1項

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この記事を書いた人

新米税理士です。お客様に役立つ会計・税務情報をお届けできるよう、日々AIやITを活用しながら業務に励んでいます。

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