源泉所得税が0円でも納付書は必要|従業員を雇ったときの税務手続き
個人事業主や法人が従業員やアルバイトを雇うと、給与を支払うだけでなく、税務署への届出や源泉所得税の計算・納付などの事務が発生します。
特に気をつけたいのが、給与から差し引く源泉所得税が0円であっても、所得税徴収高計算書(いわゆる納付書)の提出が必要になるという点です。
「日雇い労働者を1人雇っただけだから、税務署には何もしなくてもよい」とは限りません。
この記事では、一般的な事業者が従業員やアルバイト、日雇い労働者を雇った場合について、
- 雇い始めたとき
- 給与を支払うとき
- 源泉所得税を納付するとき
- 年末調整をするとき
- 翌年1月に行う手続き
の順番で、事業者側に必要となる税務手続きを整理します。
なお、この記事では一般的な国内居住者への給与を中心に解説しています。社会保険、雇用保険、労働保険などの手続きや、非居住者への給与、退職金、災害による徴収猶予、誤納還付などの特殊なケースは取り扱いません。
結論から述べると、
① 家事使用人だけを雇う場合など、ごく限られたケースを除き、人を雇って給与を支払えば原則として源泉徴収義務者になる。
② 源泉徴収義務者になったら、給与支払事務所等の開設届出書の提出や、扶養控除等申告書の受け取りなど、書類まわりの対応が発生する。
③ 給与から差し引く源泉所得税が0円であっても、所得税徴収高計算書(納付書)の提出は原則として必要。
④ 年末の年末調整から、翌年1月の源泉徴収票の交付・給与支払報告書の提出まで、1年を通じた事務が続く。
それでは、本編へ。
人を雇った場合の主な税務手続き
一般的には、次のような流れになります。
| 時期 | 主な手続き |
|---|---|
| 給与の支払いを始めるとき | 給与支払事務所等の開設届出書 |
| 必要に応じて | 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 |
| 最初の給与を支払う前 | 扶養控除等申告書 |
| 給与支払時 | 源泉所得税を計算・徴収 |
| 原則、毎月 | 所得税徴収高計算書を提出・源泉所得税を納付 |
| 翌年1月まで | 年末調整・源泉徴収票の作成・交付など |
まずは、そもそも源泉徴収義務が発生するのかを確認します。
人を雇って給与を支払うと源泉徴収義務者になる
会社や個人が従業員を雇って給与を支払う場合や、税理士、弁護士、司法書士などに報酬を支払う場合には、原則として、その給与や報酬から所得税および復興特別所得税を差し引き、国へ納付する必要があります。
この義務を負う者を「源泉徴収義務者」といいます。
国税庁も同様に、給与や上記の報酬を支払う際に所得税および復興特別所得税を差し引き、国へ納付する必要があると案内しています(No.2502 源泉徴収義務者とは)。
そのため、正社員だけでなく、パートやアルバイト、一時的に日雇い労働者を雇って給与を支払う場合にも、基本的には源泉徴収の手続きが関係します。
ただし、人を雇えば、必ず給与から所得税を源泉徴収しなければならないわけではありません。
常時2人以下の家事使用人のみに対して給与等を支払う者については、その給与等について所得税を徴収して納付する必要がないと定められています(所得税法第184条)。
国税庁も、「常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与を支払っている個人」については、その給与や退職金について源泉徴収する必要がないと案内しています(No.2502 源泉徴収義務者とは)。
この例外に該当するかどうかは、次の2つの要件をどちらも満たすかで判断します。
| ケース | 常時2人以下 | 家事使用人だけ | 源泉徴収 |
|---|---|---|---|
| 家事使用人を1人だけ雇っている | 〇 | 〇 | 不要(例外に該当) |
| 家事使用人が常時3人以上いる | × | ― | 必要 |
| 家事使用人のほかに事業の従業員にも給与を支払っている | 〇 | × | 必要 |
| 一時的に日雇い労働者を1人雇った (家事使用人ではない) | ― | × | 必要 |
そのため、「家事使用人が2人以下なら、必ず源泉徴収不要」というわけではありません。
(家事使用人の定義まで詳しく知りたい方以外は、次の見出し「源泉所得税関係の手続きが原則発生しない場合とは」まで読み飛ばしていただいて問題ありません。)
そもそも「家事使用人」とは何なのかについて調べてみましたが、所得税法上、「家事使用人とは○○をいう」といった具体的な定義規定は設けられていません。
国税庁のタックスアンサーでは、「お手伝いさんなどのような家事使用人」と説明されています(No.2502 源泉徴収義務者とは)。
明確な定義がないため推測にはなりますが、例えば、個人の家庭で炊事・洗濯・掃除などの家事に従事する家政婦・家政夫や、いわゆる「お手伝いさん」などが典型的な家事使用人として想定されていると考えられます。
そのため、一般的な会社・店舗・事務所などで、事業の仕事をしてもらうために人を雇う場合には、この例外規定は適用できないと考えられます。
源泉所得税関係の手続きが原則発生しない場合とは
上記で説明したように、常時2人以下の家事使用人だけに給与を支払う個人については、その給与について源泉徴収する必要がありません。
したがって、その家事使用人への給与については、
- 給与から源泉所得税を徴収する
- 源泉所得税を納付する
- 所得税徴収高計算書を提出する
- 年末調整を行う
といった通常の源泉徴収事務は原則として発生しません。
また、もう一つ個人について例外があります。
所得税法第204条第2項第2号では、給与所得について源泉徴収義務を有する個人以外の個人が、税理士、弁護士、司法書士などに報酬を支払った場合についても、原則として源泉徴収する必要はないとされています。
国税庁も、「給与所得について源泉徴収義務を有する個人以外の個人が支払う弁護士報酬などの報酬・料金については、源泉徴収をする必要はありません」と案内しています(No.2502 源泉徴収義務者とは)。
例えば、従業員を雇っていない個人事業主が税理士に報酬を支払った場合には、原則として税理士報酬から源泉所得税を差し引く必要はありません。
また、常時2人以下の家事使用人だけに給与を支払っている個人についても、給与について源泉徴収義務を有しないため、税理士や弁護士などに支払う報酬については原則として源泉徴収不要となります。
ただし、ホステス等に支払う報酬など、報酬の種類によってはこの例外が適用されず、源泉徴収が必要となるものもあります(所得税法第204条第1項第6号、所得税法第204条第2項第2号)。
フローチャートで整理すると以下のようになります。

以下では、人を雇って給与を支払い、給与について源泉徴収義務が生じる一般的な事業者について説明します。
給与関係の書類の提出
給与支払事務所等の開設届出書を提出する
新たに給与の支払いを始めて源泉徴収義務者となる場合には、
「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」
を税務署へ提出します。
給与支払事務所等とは所得税法で以下のように説明されています。
(給与等の支払をする事務所の開設等の届出)
所得税法第230条
太字は筆者
第1項 国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、又はこれらを移転し、若しくは廃止した者は、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があった日から1月以内に、税務署長に提出しなければならない。
つまり、給与支払事務所等とは、給与等の支払事務を取り扱う事務所・事業所等を意味します。
そのため、単純に「従業員が勤務している場所」という意味ではなく、どこで給与の支払事務を取り扱っているかという点が基準になります。
国税庁の「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」のページでも、「給与等の支払事務を取り扱う事務所等」という表現が使われています。
この届出書の提出期限は、給与支払事務所等を開設した日から1か月以内とされており、原則として給与支払事務所等の所在地を所轄する税務署に提出します。
なお、この届出書は、従業員1人ごとに提出するものではありません。
そのため、給与支払事務所等の開設届出書をすでに提出している場合には、新しくアルバイトを1人雇ったからといって、通常は改めて提出する必要はありません。
これまで給与等を支払っていなかった事業者が、初めて従業員を雇って給与の支払いを始める場合などに提出する書類です。
納期の特例を利用する場合は申請書を提出する
給与から源泉徴収した所得税および復興特別所得税は、原則として、
給与を実際に支払った月の翌月10日までに国へ納付します。
例えば、4月25日に給与を支払った場合は、原則として5月10日までに納付します。
一般的には、給与は毎月支払うものになりますので、毎月納付処理を行うことになります。
しかし、従業員が少ない事業者の場合、毎月この手続きを行うのは負担になります。
そこで、給与の支給人員が常時10人未満の場合には、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することで、源泉所得税を半年分まとめて納付することができます。
納期の特例を受けた場合には、以下の表のように源泉所得税の納付手続きを原則年2回にまとめることができます。
なお、これらの納付期限が日曜日、祝日などの休日や土曜日に当たる場合には、その休日明けの日が納付期限となります(No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例)。
| 給与等の支払期間 | 納付期限 |
|---|---|
| 1月~6月 | 7月10日 |
| 7月~12月 | 翌年1月20日 |
この申請書の提出は義務ではありません。
従業員が常時10人未満であっても、毎月納付するのであれば提出する必要はありません。
また、申請書を提出した月に支払った給与からすぐに納期の特例が適用されるわけではありません。
原則として、申請書を提出した日の翌月に支払う給与等から適用されます。
そのため、提出日の翌月は、通常通り10日までに国へ納付が必要になります。
従業員から扶養控除等申告書を受け取る
従業員を雇った場合には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらう必要があるか確認します。
この申告書は、扶養家族がいる人だけが提出する書類ではありません。
扶養親族がいない場合でも、主たる勤務先で甲欄による源泉徴収を受けるためには、原則として扶養控除等申告書を提出する必要があります。
提出の期限は、原則として次のとおりです(所得税法第194条)。
- 通常の場合:その年の最初に給与の支払を受ける日の前日まで
- 中途就職の場合:就職後、最初に給与の支払を受ける日の前日まで
一方、扶養控除等申告書を提出してもらわない場合でも、一定の場合を除き「給与支払報告書」を市区町村へ提出する必要があります。
また、扶養控除等申告書を提出していない従業員についても、「給与所得の源泉徴収票」を作成し、受給者本人へ交付する必要があります。国税庁も、給与所得の源泉徴収票は給与を支払ったすべての受給者について作成・交付することとしています(No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等)。
そのため、扶養控除等申告書を提出してもらわない従業員についても、住所、氏名、マイナンバーなどを把握しておく必要があります。これらは「給与支払報告書」や「給与所得の源泉徴収票」に記載する項目だからです。
給与の源泉徴収では、扶養控除等申告書の提出の有無や給与の支払方法などによって、原則として次のように税額表を使い分けます。
| 区分 | 主なケース | 扶養控除等申告書 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 甲欄 | 主たる勤務先から受ける給与 | 提出あり | 扶養親族がいなくても、甲欄の適用には提出が必要 |
| 乙欄 | 扶養控除等申告書を提出していない人への給与 (例:他に主たる勤務先があり、そちらに提出している場合など) | 提出なし | ― |
| 丙欄 | 一定の日雇賃金(雇用契約期間が2か月以内かつ日給・時間給のパート・アルバイトを含む) | 提出不要 | 同じ給与支払者から継続して2か月を超えると、超えた部分は丙欄を使用できない |
A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告をもとに記載
国税庁の源泉徴収税額表では、次のように使い分けます。
- 扶養控除等申告書を提出している人:月額表・日額表の甲欄
- 提出していない人:月額表・日額表の乙欄
- 一定の日雇賃金:日額表の丙欄

甲欄の場合
扶養親族がいない場合でも、主たる勤務先で甲欄による源泉徴収を受けるためには、原則として扶養控除等申告書の提出が必要です。
乙欄の場合
例えば、他に主たる勤務先があり、そちらに扶養控除等申告書を提出している場合などが該当します。
丙欄の場合
国税庁では、日雇賃金について、日々雇い入れられる人が、労働した日または時間によって給与が計算され、その労働した日ごとに支払いを受けるものなどとしています。
同じ給与支払者から継続して2か月を超えて給与の支払いを受ける場合には、その2か月を超える部分については丙欄を使用できません。
そのため、「従業員を雇ったら必ず扶養控除等申告書を提出してもらう」というわけではなく、甲欄・乙欄・丙欄のどれに該当するかを確認した上で対応する必要があります。
税務署へ都度提出するわけではない
扶養控除等申告書は、通常、給与支払者がその都度税務署へ提出するものではありません。
本来は給与支払者を経由して税務署長等へ提出する書類ですが、税務署長等から提出を求められた場合を除き、給与支払者側で保存します。
保存期間は、「提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間」です(所得税法施行規則第76条の3)。
したがって、「従業員から受け取る書類=そのまま税務署へ提出する書類」ではありません。
給与を支払うときに源泉所得税を計算する
給与を支払うときには、源泉徴収する所得税および復興特別所得税を国税庁が公表している源泉徴収税額表を使って計算します。
税額は、
- 給与の金額
- 社会保険料等控除後の金額
- 扶養控除等申告書を提出しているか
- 扶養親族等の人数
- 月給か日給か
などによって変わります。
例えば、扶養控除等申告書を提出している従業員については原則として甲欄を使用し、提出していない場合には乙欄を使用するなど、状況に応じた確認が必要になります。

この表をもとに計算した額を給与から控除します。
給与を支払っても源泉所得税が0円になることがある
給与の支払額などによっては、給与を支払っていても源泉所得税が0円になることがあります。
しかし、源泉所得税が0円=税務署への手続きが何もないという意味ではありません。
国税庁は、納付する税額がない場合でも、税額0円の所得税徴収高計算書を提出する必要があると案内しています(源泉所得税の納税手続)。
つまり、
- アルバイトや日雇い労働者を雇った
- 給与を支払った
- 源泉徴収税額を計算した
- 結果として所得税は0円だった
という場合でも、原則として0円の所得税徴収高計算書を提出する必要があります。
所得税徴収高計算書(納付書)を提出する
給与から源泉徴収した所得税は、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」を使って税務署へ報告し、納付します。
一般には「源泉所得税の納付書」と呼ばれることが多い書類です。
納期の特例を利用していない場合は原則、毎月、納期の特例を利用している場合は原則年2回、この手続きを行います。
年末には年末調整や報告書の提出を行う
一定の従業員については、年末に年末調整を行います。
年末調整とは、毎月の給与などから源泉徴収した所得税等の合計額と、その従業員が1年間に納めるべき所得税等との差額を精算する手続きです。
一般的には、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出しており、年末まで勤務している一定の従業員などが対象となります。
年末調整では、必要に応じて従業員から、
- 基礎控除申告書
- 配偶者控除等申告書
- 特定親族特別控除申告書
- 所得金額調整控除申告書
- 保険料控除申告書
- 住宅借入金等特別控除申告書
などの提出を受けて計算します。
これらの申告書についても、原則として税務署へそのまま提出するのではなく、給与支払者側で保存します。
年末調整後に行う書類の保存・提出
年末調整の時期に来年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も合わせて記載してもらいます。
もし、提出してもらうのを忘れていて、年末調整を受けたい従業員がいる場合には、今年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を書いてもらいましょう。
年末調整を行ったからといって、「年末調整を行いました」という専用の届出書や報告書を税務署へ提出するわけではありません。
年末調整による過不足額を精算し、その結果を、
- 所得税徴収高計算書
- 給与所得の源泉徴収票
- 給与支払報告書
などに反映します。
このうち、給与支払報告書は税務署ではなく市区町村へ提出する書類です。
また、年末調整による還付などによって、その月に納付する源泉所得税が0円になることもあります。
この場合も、還付である旨を記載した納付税額0円の所得税徴収高計算書を税務署へ提出します。
給与支払報告書を市区町村へ提出する
給与を支払った事業者は、原則として「給与支払報告書」を従業員の住所地の市区町村へ提出します。
提出期限は原則として翌年1月31日です。
給与支払報告書は、年末調整をした従業員だけを対象とするものではありません。
年の途中で退職した従業員についても原則として提出対象となりますが、その年中の給与支払額が30万円以下である一定の退職者については提出を省略できる取扱いがあります。
しかし、提出を省略できる場合でも、市区町村から提出を求められることがあります。
また、給与支払報告書を提出する場合には、給与支払報告書(総括表)も併せて市区町村へ提出します。
源泉徴収票を作成して従業員へ交付する
年末調整などが終わったら、「給与所得の源泉徴収票」を作成します。
源泉徴収票は、金額に関わらず原則として翌年1月31日までにすべての受給者へ交付します(所得税法第226条第1項)。
年の途中で退職した従業員については、原則として退職の日以後1か月以内に交付します(所得税法第226条第1項)。
この本人への交付は、税務署への源泉徴収票の提出対象になるかどうかにかかわらず必要です。
令和9年1月から税務署への源泉徴収票の提出方法が変わる
従来、給与所得の源泉徴収票を税務署へ提出する場合には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を併せて提出していました。
令和9年1月1日以後に提出する給与支払報告書(令和8年分以降が対象)から、市区町村へ提出していれば、給与所得の源泉徴収票を税務署へ提出する必要がなくなります。
そのため、税務署へ提出する法定調書が給与所得の源泉徴収票だけである場合には、法定調書合計表も提出する必要がありません。
ただし、
- 退職所得の源泉徴収票
- 税理士などへの報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
- 不動産の使用料等の支払調書
- 不動産等の譲受けの対価の支払調書
- 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
など、給与所得の源泉徴収票以外の法定調書を税務署へ提出する場合には、引き続き法定調書合計表の提出が必要です。
まとめると
市区町村への給与支払報告書の提出
→ 必要
税務署への給与所得の源泉徴収票の提出
→ 給与支払報告書を提出すれば不要
従業員本人への源泉徴収票の交付
→ 引き続き必要
になります。
まとめ
一般的な従業員やアルバイトを雇った場合、税務上はおおむね次の流れになります。
① 給与支払事務所等の開設届出書を提出する
初めて給与の支払いを始めて源泉徴収義務者となる場合には、原則として1か月以内に提出します。
② 必要であれば納期の特例を申請する
給与の支給人員が常時10人未満の場合、申請することで源泉所得税の納付を原則年2回にまとめることができます。
③ 従業員から扶養控除等申告書などを受け取る
これらは通常、その都度税務署へ提出するのではなく事業者側で保存します。
④ 給与から源泉所得税を計算する
給与額や扶養控除等申告書の提出状況などに応じて、源泉徴収税額表を使って計算します。
⑤ 所得税徴収高計算書を提出し、源泉所得税を納付する
原則として毎月、納期の特例を利用している場合は原則年2回行います。
源泉所得税が0円の場合でも、所得税徴収高計算書の提出は必要です。
⑥ 年末調整を行う
一定の従業員について1年間の所得税を精算します。
⑦ 源泉徴収票を作成して従業員へ交付する
翌年1月31日までに交付します。
⑧ 令和8年分以後は給与支払報告書の提出で税務署への源泉徴収票提出を省略
令和9年1月1日以後、市区町村へ給与支払報告書を提出すれば、税務署へ給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされます。
おわりに
従業員やアルバイトを雇った場合、「給与が少ないから税金がかからない=何もしなくてよい」というわけではありません。
特に見落としやすいのが、上記⑤で触れた所得税徴収高計算書の提出義務です。納付する税額そのものより、「提出」自体を忘れてしまうケースが多いため、あらためて注意しておきたいポイントです。
また、初めて人を雇う場合には、
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 納期の特例を利用するか
- 扶養控除等申告書の回収・保存
- 毎月の源泉徴収
- 所得税徴収高計算書の提出
- 年末調整
- 源泉徴収票の作成・交付
など、給与の支払い以外にも継続的な事務が発生します。
そのため、「人を1人雇うだけ」であっても、その時点から何らかの税務対応が必要になると覚えておきましょう。
参考文献
条文
所得税法第184条
所得税法第194条
所得税法第204条
所得税法第226条
所得税法第230条
所得税法施行規則第76条の3
国税庁HP
タックスアンサー No.2502 源泉徴収義務者とは
タックスアンサー No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例
タックスアンサー No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
給与所得の源泉徴収税額表(令和8年分)
A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告
源泉所得税の納税手続


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