「税理士と顧問契約をしたら、毎月打ち合わせをするものなのでしょうか?」
税理士への依頼を考えるとき、料金だけでなく、打ち合わせの頻度が気になる方もいらっしゃると思います。
毎月、数字を見ながら相談したい方もいれば、日々の入力は自分で進め、帳簿の確認や決算・申告を中心に任せたい方もいます。
結論として、税理士との顧問契約に、毎月の打ち合わせや訪問が必ず必要なわけではありません。
必要な頻度は、事業の状況と、税理士に何を任せたいかによって変わります。
今回は、定期的な面談を付けない顧問契約が向いている方と、打ち合わせを利用した方がよい場面を整理します。
それでは本編へ。
顧問税理士の訪問・打ち合わせは毎月必要?
顧問契約と毎月の打ち合わせは、必ずしも一組ではありません。
以前は、税理士が毎月事業所を訪問する「月次訪問」や、年に一回まとめて資料を受け取って対応する方法が一般的でしたが、現在はオンラインでの面談や、メール・チャットでのやり取りを中心とする事務所も増えています。
税理士事務所によって、毎月の面談を含む契約もあれば、数か月に一度の面談や、必要なときに追加する方法もあります。
また、面談を付けず、メール等で必要な確認を行いながら、帳簿の確認や決算・申告を進める方法もあります。
大切なのは、打ち合わせの回数そのものより、何のために打ち合わせを行うかです。
- 入力内容や資料について確認したい
- 売上や利益の状況を詳しく説明してほしい
- 資金繰りや設備投資について相談したい
- 今後の事業計画を一緒に考えてほしい
- 今の状況を整理したい
これらは、それぞれ必要な時間や準備が異なります。
「毎月会うから安心」「面談がないから不十分」と回数だけで判断せず、必要な対応が契約に含まれているかを確認することが大切です。
定期的な面談がなくても、税理士が何もしていないわけではない
打ち合わせをしない月は、税理士が何をしているのか分かりにくいこともあると思います。
ただ、面談の有無と、帳簿の確認や申告に向けた作業の有無は別です。
顧問契約の内容によっては、定期的な打ち合わせを付けない場合でも、毎月の記帳や帳簿の確認が行われます。資料の不足や取引内容の不明点などは、メールやチャットで確認するのが一般的です。
一方で、帳簿の確認を行うことと、その数字について詳しく説明し、経営上の判断を一緒に考えることは、別の対応です。
例えば、経費の内容を確認する連絡と、「利益が減っている原因を分析し、今後の対策を相談する打ち合わせ」では、必要な作業が異なります。
面談を付けない契約を選ぶ場合は、こうした違いを確認しておくと、契約後の行き違いを減らせます。
打ち合わせ頻度の主なパターン
| 頻度 | 向いているケース |
|---|---|
| 毎月 | 数字の説明や経営相談を継続的に受けたい、取引の変化が大きい |
| 数か月に一度 | 業績の推移を定期的に確認したいが、毎月までは不要 |
| 決算・申告時のみ | 日々の数字を自分で確認でき、取引が安定している |
| 必要なときに追加 | 普段は文章でのやり取りで足り、判断に迷うときだけ相談したい |
どの頻度でも、資料の提出や確認事項への回答は毎月必要になることがあります。
打ち合わせの頻度と、帳簿の確認の頻度は分けて考えましょう。
定期的な面談なしの顧問契約が向いている人
日々の数字を自分で確認できる人
会計ソフトなどで売上や経費、預金残高を確認し、事業の状況をある程度把握できる方は、毎月の説明を必要としない場合があります。
税理士には帳簿の確認や決算・申告を任せ、詳しく相談したいことが生じたときに打ち合わせを追加する方法が考えられます。
ただし、会計ソフトを使っていることと、数字の内容を理解できていることは同じではありません。
数字を見ても状況が分からない場合は、説明を受ける機会を設けた方がよいこともあります。
事業の内容や取引が比較的安定している人
毎月の取引が似ていて、大きな設備投資や新しい取引が少ない場合は、定期的な面談の必要性が低いこともあります。
一方で、事業が安定していても、普段と違う取引が発生することはあります。
分からないことが生じたときに、早めに相談できることが前提です。
文章での確認や資料共有を進められる人
メールやチャットで質問の内容を整理し、必要な資料をデータで共有できる方は、面談をしなくても確認を進めやすくなります。
例えば、日付、金額、取引先、何の支払いかをまとめて伝えていただくと、取引内容を確認しやすくなります。
反対に、文章で説明することが負担になる方や、話しながら状況を整理したい方は、面談を利用した方が進めやすい場合があります。
必要なときに相談を追加できる人
定期的な面談を付けない方法は、何も相談しないことを前提にするものではありません。
事業の状況が変わったときや、判断に迷うことが生じたときに、相談の機会を設けることが大切です。
費用を抑えるために相談を先送りし、契約や支払いを済ませてから確認すると、選べる方法が限られることもあります。
打ち合わせを利用した方がよい場面
数字を見ても、今の状況が分からないとき
試算表や損益計算書を受け取っても、どこを見ればよいか分からない場合は、説明を受ける機会が役立ちます。
売上だけでなく、利益がどのくらい残っているか、経費が増えた理由は何かなどを、一緒に確認することができます。
数字の説明を希望する場合は、その対応が顧問料に含まれるのか、別途打ち合わせが必要なのかを確認してください。
利益は出ているのに、お金が増えないとき
利益と預金残高は、同じ動きをするとは限りません。
売上代金の入金時期や、借入金の返済、設備の購入などによって、利益が出ていても手元のお金が増えない場合があります。
資金繰りへの不安があるときは、帳簿の処理だけでなく、お金の動きや今後の支払い予定を確認する必要があります。
設備投資や借入、新しい事業を考えているとき
大きな支出や新しい取引を予定している場合は、実行前に相談することをおすすめします。
相談内容によっては、見積書や契約書、資金計画などを確認する必要があります。
メールの短いやり取りだけで判断せず、打ち合わせの時間を設けた方がよい場合もあります。
会社の状況を税理士に知っておいてほしいとき
帳簿や資料からは、取引の金額や内容は分かっても、その背景までは分からないことがあります。
例えば、今後力を入れたい事業や、人の採用、取引先の変化などは、お話を伺って初めて分かることも多いと思います。
打ち合わせで会社の状況を共有していただくと、税理士の側で気づいたことがあれば、お伝えできる場合があります。ご自身では相談するほどではないと思っていたことが、税務や資金繰りに関わることもあります。
経営について、継続的な助言を受けたいとき
売上や利益の変化を定期的に確認し、今後の事業について継続的に相談したい場合は、打ち合わせを設ける方法が合っています。
毎月がよいのか、数か月に一度がよいのかは、事業の変化や相談したい内容によって考えます。
継続的な助言を求めているのに、面談を付けずに料金だけを抑えると、期待していた対応とのずれが生じることがあります。
面談なしの契約を選ぶ前に確認しておきたいこと
「面談なし」という言葉だけでは、どこまで対応してもらえるかは分かりません。
契約前には、次の点を確認しておきましょう。
| 確認すること | 確認したい内容 |
|---|---|
| 帳簿の確認 | どのような頻度・範囲で確認するか |
| 資料の提出 | 何を、いつまでに、どの方法で提出するか |
| 連絡方法 | メール・チャット・電話など、利用できる方法 |
| 質問できる範囲 | 日常的な確認と、別途相談になる内容の違い |
| 対応状況の報告 | どのような連絡を受けられるか |
| 打ち合わせの追加 | 追加できるか、料金や申込方法はどうなるか |
| 決算・申告時の説明 | どのような方法で説明を受けるか |
また、返信の目安や、急ぎの相談に対応できるかも確認しておくとよいと思います。
面談を減らす場合でも、資料の提出や確認事項への回答は必要です。お互いに必要な情報を共有できることが、業務を進める前提になります。
契約前の相談で伝えておきたい内容や、準備しておくとよい資料は、こちらの記事でまとめています。

打ち合わせ・訪問の頻度で顧問料は変わる?
料金の仕組みは、税理士事務所によって異なります。
毎月の面談を含む料金体系では、面談を利用しないからといって、その分が差し引かれるとは限りません。反対に、打ち合わせを必要なときに追加する料金体系の事務所もあります。
ただし、打ち合わせを付けない場合でも、帳簿の確認や決算・申告など、契約に応じた作業はあります。
そのため、打ち合わせの有無だけで料金全体が決まるわけではありません。
比較するときは、月額料金に加えて、次の点も確認してください。
- 決算・申告料が含まれているか
- 記帳代行や仕訳数による追加料金があるか
- 質問や相談に対応する範囲
- 打ち合わせを追加した場合の料金
- 初期設定や契約開始時にかかる費用
打ち合わせを何回利用するかも含めて、年間の費用と対応内容を比べると分かりやすくなります。
よくある質問(Q&A)
Q.毎月打ち合わせをしないと、顧問契約の意味がありませんか?
そのようなことはありません。帳簿の確認や決算・申告を中心に任せる顧問契約もあります。
打ち合わせの回数ではなく、必要な業務が契約に含まれているかを確認してください。
Q.税理士に訪問してもらわず、オンラインだけでも大丈夫ですか?
事務所によって対応は異なりますが、メール・チャットでのやり取りやオンライン面談を基本とする事務所も増えています。会計ソフトでデータを共有できると、訪問がなくても確認を進めやすくなります。
Q.打ち合わせなしの場合、質問もできませんか?
質問できる範囲や連絡方法は、契約内容によって異なります。
詳しい確認や検討が必要な内容は、別途打ち合わせとなることもあります。
Q.最初は面談なしにして、後から打ち合わせを追加できますか?
追加できるかどうか、料金や申込方法は事務所によって異なります。契約前に確認しておくと安心です。
Q.面談なしなら、資料の提出も年一回でよいですか?
面談の頻度と資料提出の頻度は別です。
毎月の記帳・確認を含む顧問契約では、決められた時期に資料を提出する必要があります。
Q.どのくらいの頻度で打ち合わせをするのがよいですか?
事業の状況と、相談したい内容によって異なります。定期的な数字の説明や経営相談を希望する場合は、継続的な打ち合わせが候補になります。帳簿の確認と申告を中心に任せたい場合は、必要なときに追加する方法もあります。
おわりに
税理士との打ち合わせは、毎月行うこと自体が目的ではありません。
日々の数字を自分で確認でき、文章でのやり取りを進められる方は、定期的な面談を付けない顧問契約が合う場合があります。一方で、数字の説明や資金繰りの相談、継続的な経営の助言を求める場合は、打ち合わせの機会を設けることが大切です。
当事務所では、毎月の打ち合わせを必須にはしていません。通常のやり取りはメール・チャット等で行い、相談が必要な場合は、オンラインでの有料の打ち合わせを必要な頻度で追加していただく仕組みです。
なお、打ち合わせを付けない契約に、税務相談や経営についての助言が無制限に含まれるわけではありません。
税理士に何を任せたいかを整理し、連絡方法、質問できる範囲、打ち合わせの追加料金まで確認したうえで、ご自身に合う方法を選んでみてください。


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